抽出に関する要素と酸味・苦味の関係

コーヒーには様々な成分が含まれており、その成分をお湯に溶け出させることを「抽出=淹れる」と言います。
コーヒーのドリップにおいて風味に影響する要素は、1.コーヒー豆の焙煎度2.コーヒー豆の粒度(挽き加減・メッシュ)3.お湯の温度4.抽出時間の4つです。
そして、コーヒーで最も重要視される香味は「苦味」と「酸味」ですね。今回は、抽出に関する4つの要素が、「苦味」と「酸味」にどのように影響するのか、「苦味」と「酸味」をどのようにコントロールするのかを解説します。

1. コーヒー豆の焙煎度による味わいの違い

まず大前提として、適切な焙煎度のコーヒー豆を選ぶということが最も重要です。
コーヒーというのは、焙煎が深いほど酸味が減り苦味が増え、焙煎が浅いほど酸味が増え苦味が減ります。つまり、苦いコーヒーが好きな方は深煎りのコーヒー豆を、酸味のあるコーヒーが好きな方は浅煎りのコーヒー豆を、酸味と苦味のバランスを重視するなら中煎り~中深煎りを選ぶ必要があるということです。浅煎りのコーヒーを抽出で苦くすることはできませんし、深煎りのコーヒーを抽出で酸味が多いコーヒーにすることもできません。

2. お湯の温度がコーヒーの味わいに与える影響

酸味成分は低温でも出やすく、苦み成分は高温でないと出にくい傾向にあります。酸味にも高温でないと出にくい成分があるため、低温で淹れるよりも高温で淹れる方が、複雑な酸味を引き出すことができます。ただし、高温では不快な雑味も出やすくなるため、高すぎる湯温は注意が必要です。

3. コーヒー豆の粒度(挽き加減)が味わいに与える影響

挽いたコーヒー豆の粒の大きさをメッシュと呼びます。メッシュが小さいほどコーヒー豆の持つ成分が出やすく、メッシュが大きければ成分が出にくくなります。コーヒー豆は、苦味やコクなどよりも酸味の成分が出やすいため、メッシュが小さいほど苦味やコクが強く、メッシュが大きければ酸味が強く出ます。
メッシュが小さすぎる場合、雑味が出やすいだけでなくペーパーフィルターに詰まって過抽出になってしまうので注意が必要です。逆にメッシュが大きすぎる場合は、酸味しか抽出されず、コーヒー本来の旨味成分が出ません。

4. 抽出時間がコーヒーの味わいに与える影響

酸味成分が先に出て、苦み成分は後から出る傾向にあります。短時間でサッと抽出すると酸味が際立ち、時間をかけてじっくり抽出することで苦味を引き出すことができます。

どのようにコーヒーの風味をコントロールするのか

粒度(メッシュ)、お湯の温度、抽出時間を毎回きちんと正確に計りましょう
粒度を一定に保つには、プロペラ式の電動ミルではなく、粒度調整機能を持ったミルを使用する必要があります。
お湯の温度は正確なデジタル温度計で、抽出時間はキッチンタイマーなどで計りましょう。

その上でお湯の温度、メッシュ、抽出時間のいずれか一つだけの要素を少しだけ変更します。
例えば「少し酸味を減らしたい」と思ったとき、お湯の温度を3度だけ下げてみます。この時、お湯の温度以外の要素、つまり挽き加減や抽出時間は変更してはいけません。どの要素の変更がどのように風味に影響したか分からなくなってしまいます。
ひとつの要素だけを少しずつ。これが最も大切です。

どうしても好みの風味にならないという場合、もしかしたらその豆自体が好みではないのかもしれません。
異なる銘柄・異なる焙煎度のコーヒー豆に変更してみてもいいかもしれません。

当店のおすすめの淹れ方

新鮮なコーヒー豆を中細挽き~中挽きにします。
浅煎りのコーヒー豆は、比較的高温(85~90℃)・短時間で抽出、深煎りのコーヒー豆は、比較的低温(80~85℃)・長時間で抽出するのがおすすめです。こうすることで、浅煎りのコーヒー豆では複雑な酸味を引き出しつつ雑味を抑え、深煎りのコーヒー豆では雑味を抑えつつ苦味やコクをしっかり抽出することができます。
その上で、苦味を抑えたい場合は、「湯温を下げる」または「メッシュを粗くする」または「抽出時間を短く」し、酸味を抑えたい場合は、「湯温を上げる」または「メッシュを細かくする」または「抽出時間を短く」して味を調整すると良いでしょう。

コーヒーの抽出には様々な要素があり、それが難しさにも繋がっていますが、基本が分かれば苦味と酸味をコントロールすることができるようになり、抽出という行為がもっと楽しくなりますよ。
ぜひ自分だけの抽出レシピを見つけ出してください。