皆さんはコーヒー豆を買うとき、どうやって選びますか?
お店が近いから、パッケージが良いから、お気に入りのカフェで、通販で購入など、様々だと思います。今回は、コーヒー豆の美味しさという観点で考えた場合、どういうポイントを重視すれば良いかという話をしたいと思います。

美味しいコーヒー豆の条件は3つ

美味しいコーヒー豆に欠かせない条件は3つあります。素材である「生豆」、その豆の持つ風味を引き出す「適切な焙煎」、そして焙煎してからの「鮮度」です。
それでは詳しく見ていきましょう。

1. 生豆

焙煎する前のコーヒー豆のことを、生豆(なままめ)と言います。これはコーヒーチェリーと呼ばれる赤い果実を精製処理したもので、コーヒーチェリーの種子の部分です。

では、品質の良い生豆とはどんなものでしょうか?これは実際に飲んで判断するしかないのですが、スペシャルティコーヒー(スペシャリティではありません)と呼ばれているものなら間違いないでしょう。

スペシャルティコーヒーの定義は各国によって多少異なりますが、簡単に言ってしまうと「産地が明らかで、生産段階から品質管理が徹底されており、飲んだ時にとても美味しいと認められているコーヒー」と言えます。実際に飲んで美味しいと認められているというところがポイントです。
少し前までは「ブラジル」「コロンビア」など国別でしか区別されていなかったのが、スペシャルティコーヒーでは、どの農園または農協でいつ採れたものかということまで管理されています。つまりトレーサビリティですね。たいていの場合、コーヒー豆の商品名に農園等の収穫地が含まれていますので、スペシャルティコーヒーの商品名は長くなりがちです。

2. 適切な焙煎

では、風味の良い生豆を焙煎すれば、必ずしも風味の良いコーヒー豆になるかと言えば、もちろんそうではありません。が、プライドを持って自家焙煎を行っているお店であれば、どれも適切な焙煎と呼べるはずです。

私たち焙煎屋は、美味しいコーヒーを提供したいとの想いから、皆が研究・検証し、それぞれがその経験に基づいて独自の焙煎方法を確立しています。焙煎時の熱源の種類や、秒単位の熱の加え方で、コーヒーの風味をコントロールしています。
焙煎屋の数だけ焙煎方法があり、それぞれ違う風味を持っています。色んなお店のコーヒー豆を試し、自分の口に合う味づくりのお店を見つけましょう。

3. 焙煎後の鮮度

皆さんはコーヒー豆の鮮度について気にされたことはあるでしょうか?
コーヒーの香り、風味というのはほとんどが揮発性であり、時間と共に失われていきます。また、焙煎時に加えられた熱によって、コーヒー豆内部の油分が酸化していくことで、とても飲めないような嫌な味に変化してしまいます。コーヒーを飲んだ時に酸っぱい(フルーティな酸味とは別)、胃が気持ち悪くなるというのは、劣化・酸化したコーヒーです。

コーヒー豆の美味しさというのは、焙煎後1~3日くらいからピークを迎え、その後は緩やかに劣化していきます。保存方法にもよりますが、ベストな風味で飲めるのは、挽いていない豆のままの状態で焙煎後およそ2週間くらいです。挽いて粉になったものは、表面積が増えるため数日で劣化してしまいます。

ぜひ次にコーヒー豆を買うときは、そのコーヒー豆がいつ焙煎されたものなのか、確認して購入してみてください。鮮度に気を使っているお店なら焙煎日をきちんとパッケージに記載してあるでしょうし、書いていなくても快く教えてくれるはずです。

今回は、コーヒー豆を購入する際に美味しいコーヒー豆を選ぶコツをご紹介しました。皆さんがコーヒー豆を選ぶ参考になれば幸いです。